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2006年10月14日(土曜日)

 只野艦長の命令でよお、今、スキャナーと洋古書とフォトショップと格闘中でぇ。
え、なんのことだって、いよいよおいでなさったのよ、只野艦長が考えていることが始まるのよ。


 洋古書ちゅうのは William Falconer 著「An Universal Dictionary of The Marine」のことでぇ。
 William Falconerちゅうお人は1732年エジンバラ生まれの船乗りさ、1762年に「The Shipwreck」てぇ素晴らしい詩集を書いてな、ヨーク公爵に認められ公爵の庇護(patron)で主計長に任命されたんだが、1769年に乗艦フリゲート艦オーロラが沈没しちまって、亡くなったお人だ。
 そのお人が1762年に海軍本部諸卿への献辞を添えて出版したのが当時最高の海事辞典「An Universal Dictionary of The Marine」ちゅうわけさ。
 じっせい本人が亡くなった後も1771年、1776年、1780年、1815年と再販されている。当時じゃあすげぇことだったろうな。中身は当時の木造帆走軍艦、帆船の全てに着いて書かれている、今でも1級資料ってぇやつだな。


 こんなかに図版が多く含まれてんだが、こいつをコピーしてサイトの説明に使おうってぇのが只野艦長の思惑さ。
 只野艦長の蔵書は1780版のオリジナル、当然著作権は関係ねえ自由に使えるてぇもんだ。
 で、あっしにスキャナーでコピーして、サイトで使えるようにしろちゅう命令なんだが、200年以上も前の本の上に、版形がまったく現代と違う、だから一つの図をスキャンするのに3回も位置をずらしてスキャンしなきゃあなんねぇ、そのうえ丁寧に扱わねぇと只野艦長のお宝だから猫鞭もんよぉ。
 しかもなあ200年以上前の本だろ染みとか焼けが多くてなあ、折角スキャンしても、これから全部フョトショップで加工していかねぇといけねえ。肩が凝る仕事だぜぇまったく。


 只野艦長終わったらたっぷりはずんでもらいますぜぇ。


 おっと「An Universal Dictionary of The Marine」について聞き手ぇことがあるお人はアフトのほうで頼むぜ、なんせあっしの本じゃねぇんでね。

コメント 3 件
  1. 平田瑠華 より:

    あれまあ、3枚接ぎのスキャンなんてご苦労様。
    それはめんどくさいですね。

    しかし、1780年当時のオリジナル本ですって‥‥。
    まっさらの綺麗な本なんですか?
    昔の蔵書主の書き込みみたいなものもあると面白いですよね。
    高価な本だったんでしょうか、だとしたら余白に書き込みなんて
    学生みたいな事誰もしないかな。

  2. JohnSmith より:

    My Lady 平田様、ようこそ

    >それはめんどくさいですね。
    無茶苦茶めんどうでやんす。
    1780年の本なのに只野艦長が変えるような本なんで、まっさらなわきゃありやせんって、染みやら焼けが多くてスキャンした後の工程がもう大変。結局フォトショップでグレースケールに変換した後、色長補正のトーンカーブのいじり方で何とかなると解りやした。ましつこいのは消しゴムツールでシコシコ消してやすがね。ただ、当時の本は紙厚が厚いのでスキャン時取り扱いは多少らくでやんす。
    余白に書き込みはさすがにありやせんねぇ、でも1909年出版「BUCLKER’S HARD AND IT SHIPS」ちゅう本には書き込みがあるんでやすよ、ところが読めねえですがね。

  3. JohnSmith より:

    >グレースケールに変換した後、色長補正のトーンカーブのいじり方
    このやり方だとあまりにも手間がかかりやすので、フォトショップの手引き本とにらめっこして、染み焼けが茶系なのに目を付け色調補正〜特定の色を置き換えるにしてみやした。それでかなり染み、焼けを削除できやした。少し作業が楽になりやした

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