只野艦長が出かけるから共をしろちゅうから、「何処へ行きなさるんでぇ、Sir！」と尋ねたら、「うるさい、黙って付いて来い」という。でぇてぇ只野艦長と来たら、やれ体調が悪ぃだの、天気が優れぬとかなんとかぬかして、恐ろしく出不精なんでねぇ、休みの日に外に出たことがほとんどねぇお人なんで、あっしは不思議でしょうがねえ。

　でも仕方ねぇからついていった先が「ビックカメラ」（あ、名古屋にもできたんでやす）。で、もってカメラ売り場、それも一眼デジカメ売りへまっしぐら。はあ、あの「Nikonのバカヤロー」はいってえぇなんだったんでやす。

　仕方ねぇ横で見てたら展示品のNikonD80を色々いじりだしはじめちまった。当然店員は寄ってくるよな、するってぇと色々質問を始めたわけよ、そのうちに具体的な値段の話を始めるじゃねえか。おいおい冗談じゃねえと袖を引っ張るんだが、それにも気がつかねえくれえ店員との話に夢中。それでもその場では買わずに店を出やしたけどねえ。
　あっしも触らしてもらったけど、D200とおんなじ1020万画素で、モニターは2.5型で見やすいし、連射のスピードもはえぇ、しかもD200よか軽い、どこをとってもD70よか良いのはまちがいねえ。
　おそるおそる、只野艦長に

「腕磨くのが先じゃねぇんですかいSir!」
「ばか者、腕の差はカメラの機能の差でカバーするものだ」
「そいつは解りやした、でも6GBのCFマイクロドライブはどうされるんでえ、D80はSDメモリですぜぇ、Sir!」
「6GBのCFマイクロドライブはPickle（ノートパソコンでやす）の、補助ドライブとして挿しっぱなしにしとけば、PickleのHDDも助かるだろう。SDメモリーカードも安くなったし、これからもっと安くて大容量の物が出てくるから問題ない」
「はあ、そんなもんですかい、Sir!」

　つってぇわけで理性も何もありゃしねぇ、只野艦長の物欲に火が付いちまった。
　「ビックカメラ」じゃ下取りはしてねえからD70をどっかで処分しなくちゃなんねぇ、そいつはあっしにまかされそうでいまから不安でさぁ。米兵にでも持ってくかねぇ